レッスン

自分に合ったヨーガを始めよう。

ヨーガを行うときの注意点

  • 静かで清潔な場所が適しています。風通しがよく、空気のきれいな場所がよいでしょう。
  • 食後3時間以上たってから、行います。呼吸法の場合は、特に 注意してください。
  • 入浴は、ヨーガの前後30分は控えてください。ヨーガを行うことも、お風呂に入ることも血液の循環を活発にするので、両方続けて行うことは体に大きな負担をかけることになります。特に高齢者の方はお気をつけ下さい。
  • 毎日規則正しいヨーガを心掛けます。早朝が最も適していますが、それが難しいときは、自分のライフスタイルの中で適した時間に行ないます。
  • 服装は体を締めつけない、ゆったりとしたものにします。靴、靴下はぬぎ、裸足で行ないます。時計、ネックレス、眼鏡、指輪などもはずしたほうがよいでしょう。
  • 病後の方、手術後の方は、医師と相談して始めてください。
  • 妊娠中の方、生理中の方は、お腹を圧迫するようなアーサナは避けましょう。

教室で楽しむヨーガ

火曜日 10:00~11:30 / 世田谷区六所神社
木曜日 10:00~11:30 / コープ田端3F

おうちで楽しむヨーガ

YouTube動画をご覧下さい。

1.首と肩を整えるヨーガ

正常な頸椎は、ゆるやかなカーブを描いています。この頸椎のカーブがなくなってしまった状態が「ストレートネック」です。パソコンや携帯電話を多用する現代では前傾姿勢がふえ、首が前に出ていわゆる「スマホ首」になりがちです。首の痛み、肩こりや頭痛、腰痛などの症状が出るなど、また顔のたるみ、首のしわといった美容面にも悪影響を及ぼします。首や肩が疲れたなと感じたら、すぐに行なってみましょう。この体操は椅子に座ったままでもできるので、日中の合間時間にも行えます。朝起きたときに行なえば、眠気をさます効果があります。また、一日の仕事を終え、夕方行なえば首や肩の様々な緊張をときほぐす効果があります。
心の緊張ともつながりやすいところなので、体操によって緊張をとり、緩めることで、心身ともにリラックスしましょう。

2.ヨーガ簡易体操

簡易体操は、佐保田鶴治先生が考案された体操で、正座と4つの体操から成っています。
四原則を守って毎日行なうことにより、健康と若さを保つことができます。初心者にも取り組みやすく、また長年続けていけば奥の深い体操でもあります。これらの体操は15分くらいでできるので、まず毎日の習慣にするとよいでしょう。
正座(金剛座)の姿勢が基本姿勢となっているので、脚を伸ばして前屈するポーズよりもやさしく腰を折りたたむ練習ができます。
簡易体操を毎日の習慣として行なうほうが難しい体操をたまに行うより健康感は高まります。また他のヨーガのアーサナの準備運動にもなります。

3.背骨を整えるヨーガ①

ワニのポーズ(マカル・アーサナ)

うつ伏せのお休みのポーズです。胴や手足の位置が自然な姿勢になるように、肘を少し外側に伸ばして、体を平らにします。

以下の3つのポーズは、体の前側を伸ばす反りのポーズです。
脊椎は7個の頸椎、12個の胸椎、5個の腰椎からなる椎骨と、それぞれの間に挟まった椎間板というクッションを置いて積み上げられ、なだらかなカーブを描き、下には仙骨と尾骨がついた骨の柱です。年齢を重ねるごとに、この脊椎のなだらかなカーブは湾曲して前傾し、ゆがんで狂いが生じてきます。体の前側を伸ばす反りのポーズは、このような傾向を矯正することができます。そして姿勢を良くし、プロポーションを整えます。また、気分が高揚し、ものごとにやる気が出てくるポーズでもあります。

蛇のポーズ(サルパ・アーサナ)

コブラのポーズの準備運動になり、背筋を使うので、背中が鍛えられます。生後2ヶ月くらいの赤ちゃんがうつ伏せにすると頭を持ち上げようとする動きです。

コブラのポーズ(プジャンガ・アーサナ)

生後3ヶ月くらいの赤ちゃんは、首がしっかりしてきて、うつ伏せにすると腕で支えて頭を少し持ち上げられるようになります。頑張って体を反らせようとするのではなく、腹部をリラックスさせて床に下げるようにします。赤ちゃんが、自然に行なっていることは我々が忘れてしまったことです。赤ちゃんから、学びとりましょう。

バッタのポーズ[片脚](アルダー・シャラバ・アーサナ)

高くあげようと力を入れると、上半身にまで無駄な緊張が入り、効果の少ないポーズになってしまいます。上げた脚のふくらはぎ、腿、臀部、下背部、腹部は緊張しますが、後は緩めておきましょう。

バッタのポーズ[両脚](シャラバ・アーサナ)

難しいポーズですが、2~3秒しか上げられなくても効果はあるので、お休みを間に入れて、2~3回練習しましょう。臀部、脚全体を強化し引き締め、形を整えてくれるポーズです。

4.背骨を整えるヨーガ②

片脚ねじりのポーズ

片脚を立ててねじるので、腹腔内が圧縮され、内臓にいい刺激があります。また、腿から臀部にかけて筋肉や靱帯が引き伸ばされ、気持ちがよいです。股関節が刺激を受けますが、左右のお尻が始めから終わりまで、ぴったりと床についているようにして行ないましょう。

あぐらのねじりのポーズ

両腕を"てこ"のようにして、ウエストをねじります。手の力が肩まで伝わるように、腕をよく伸ばして、行ないましょう。手と腕が肩の動きを助けて、肩のねじりを促します。肩がねじれるとウエストがねじれ、脊椎が自然とねじれます。

蓮華座のねじりのポーズ

手で足先をつかむことにより、脊椎のねじりがより強化されます。

伸ばしねじりのポーズ(ヴァクラ・アーサナ)

これまでの3つのねじりのポーズほど、脊椎をねじることはできませんが、腕からウエストにかけて、よく伸ばすことができます。肩に緊張が入りやすいので、両肩を緩めるようにして行ない、腕の動きに上体をゆだねましょう。首の力も緩めるようにします。首に緊張が入ると、ねじりの動きがストップしてしまいます。

5.背骨を整えるヨーガ③

以下の3つのポーズは、体の裏側(背面)をよく引き伸ばすことができます。
体の裏側(背面)といっても、頭のてっぺんから足の踵まで範囲が広いです。
3つのポーズのそれぞれの特徴をよく理解したうえで行なう必要があります。

頭を膝につけるポーズ

頭を膝に落とす動きから始まるので、特に膝から下の筋肉をよく伸ばします。その部分が引き締まってきます。片脚ずつ行なうので、左右の体の状態をそれぞれ観察してみましょう。

鷺のポーズ

頭をひざにつけるポーズより難しくなりますが、このポーズは脚の付け根からかかとまでの脚裏側全体を同時によく引き伸ばすことができます。慣れないうちは、膝を曲げないようにして伸ばしているだけでもよいでしょう。

背面を伸ばすポーズ(パシチモッターナ・アーサナ)

前屈系の最も代表的なポーズです。ハタ・ヨーガの教典の中に、「これはポーズの中で最上のものであって、背骨を貫いている気道を通じて生命力を運び、消化力を強め、腰を細くし、人々を無病にする」とあります。背中を反らし、腰を入れた状態で上体を倒していくので、まず腰や下背部、腿の裏側に刺激を感じます。頭を膝につけるポーズと前屈の仕方が違いますが、最終的には同じように体の背面をよく伸ばすところを目指します。(以下イラスト参照)

頭を膝につけるポーズ 背面を伸ばすポーズ 図解

6.背骨を整えるヨーガ④

鳩のポーズ(カポータ・アーサナ)

胸郭の動きが良くなり、広がりも出てきます。鼠蹊部が伸ばされ、上腕の内側の筋肉や脇の下がよく伸びます。私の場合は、鼻の通りが良くなります。難易度の高いポーズです。嫌な痛みを予感したときには、動きをやめます。そして時間をかけて少しずつ完成ポーズに近づけるとよいでしょう。

ラクダのポーズ(ウシュトラ・アーサナ)

腰椎→胸椎→頸椎の順で上体を反らせるようにしましょう。毎日根気よく行なうと、前屈みになりがちな胸や肩を広げ、猫背を矯正することができます。最初のうちは、まずアゴはあげないで、腰椎だけ前にだす練習をして、徐々に深めていきましょう。

猿のポーズ(アーンジャネヤ・アーサナ)

伝統的なポーズでもあり、太陽礼拝のポーズの一部にもなっています。
背中全体が後ろに反り、脚全体が充分伸ばされます。股関節、内腿が弛緩して柔らかくなります。また背骨を反らせた後、背骨の前屈の動きをいれることにより、体の調和がとれます。
刺激も強く、難易度の高いポーズでもありますので慎重に行ないましょう。
踵にお尻を近づけるとき、体を反らせるときに足首や腰に嫌な痛みを感じる場合があります。そのときは動きをやめます。自分の体の危険な限界点を超えないように気をつけましょう。

7.股関節を整えるヨーガ

開脚前屈のポーズ(ウパヴィスタ・コーナ・アーサナ)

股関節は体の中で一番大きい関節で、高齢になって動きが悪くなりやすいところです。このアーサナは、股関節を柔軟にし、骨盤のひずみを修正します。肛門から顎まで、体の前側を下の方から丁寧に床につけていくようにして、練習を積み重ねます。

合蹠のポーズ(バッダ・コーナ・アーサナ)

このアーサナで、完成ポーズまでのゆっくりとした動きが大切ということを特に気付かされました。体を前に倒していくときに、下半身の様々なところに緊張と痛みを感じます。ゆっくりと倒していくと、その短い動作の間でも体の状態は刻々と変わっていきます。緊張と痛みがあっても、意識を呼吸と体の変化に集中して、余計な力を抜いていき、体全体の調和をとるようにしていきます。

牛の顔のポーズ(ゴームカ・アーサナ)

ゴーは「牛」、ムカは「顔」を意味する言葉です。肩関節の動きをよくし、胸郭が広がってきます。高齢になると、猫背になりがちですが、このポーズでそれを防ぐことができるかと思います。また、脚の筋肉を柔軟にし、こむら返りやけいれんを予防します。

8.ヨーガ 猫のポーズ

猫のポーズ(マールジャーラ・アーサナ)

始めるときの両手と両膝の位置に気をつけます。行なっている間は、その位置を動かさないようにします。頭で動きをリードし、腕、腿を自然に従わせるようにします。

足を伸ばす猫のポーズ

猫のポーズと同じように、始めるときの両手と膝の位置が大切です。右膝を床につけて左脚を上げるときには、右膝は両手の真ん中延長線上におきます。つまり、両手と右膝を結ぶ線は二等辺三角形になるようにします。右膝を右手の延長線上に置いて行なうと、脚を上げたときにバランスをとりにくくなります。反対側も同様です。

猫の伸ばしⅠ

正座の姿勢から行なうやさしい反りなので、取り組みやすいポーズです。

猫の伸ばしⅡ

太陽礼拝のポーズにある猫の伸ばしですが、両脚を4足分開くことにより、少しやさしく行なうことが出来ます。背中や脚の裏側がよく伸び、特に腕と手首が強く鍛えられます。猫になったつもりで、しなやかに優雅に体を動かしてみましょう。

9.ヨーガ バランスのポーズ

立ち木のポーズ(ヴリクシャ・アーサナ)

ゆっくりと深い呼吸をしながら、リラックスして行ないます。呼吸、姿勢、集中力の関係を把握する良い練習になります。イライラしたり、緊張したり、興奮したりしていては出来ないポーズです。心静かに木になったつもりで行なってみましょう。

椰子の木のポーズ(タラ・アーサナ)

つま先立ちになりますが、膝、ふくらはぎ、腿の後ろ側に力をいれて、脚をよく伸ばします。両腕を伸ばした姿勢を保つときは、両手に意識を集中し、肩、首、上体、特に胸部をリラックスさせます。余計な緊張をいれて行なうと、やりにくいポーズです。

鷲のポーズ(ガルダ・アーサナ)

ガルダは、「鷲」という意味の言葉です。鷲が羽根を広げて飛ぶ様子と、羽根を休めて眠っているときの鋭いくちばし、というような鷲のしぐさが織り込まれています。手や肩をリラックスさせて、行なってみましょう。バランス感覚が養われます。

横曲げのポーズ(コン・アーサナ)

コン・アーサナとは、「角度をつけたポーズ」という意味です。脊椎の横曲げを効果的に行なうには、体をひとつの平面上に沿わせて曲げます。つい、前や後ろに体を傾けてしまいがちです。注意深く臀部、胸部、腕を同じ平面上で真横に曲げるようにしましょう。

後ろ曲げのポーズ(プリスタ・アーサナ)

第一段階と第二段階は、準備運動で頸椎から反らせていきます。第三段階は まず腹部を前につきだすようにします。腰椎→胸椎→頸椎の順に反らせていきましょう。親指を背骨の近くに当て、両手で下背部をしっかり押しつけます。このポーズは、長く保持する必要がありません。2~3秒から6秒程度で充分です。

前曲げのポーズ(パーダハスタ・アーサナ)

このアーサナは、体の後ろ曲げと反対の動作をするので、後ろ曲げの後に行なうと、体の調和がとれます。パーダは「足」、ハスタは「手」という意味の言葉です。手と足を結ぶポーズです。ポーズを保持する時間は、2~3秒から始め、慣れてきたら6~12秒、さらに30秒から1分と延ばしていきます。少し時間をかけて、保持することが望ましいポーズです。

10.ヨーガ 太陽礼拝のポーズ

太陽礼拝のポーズ(スーリヤ・ナマスカール)

スーリヤは、「太陽」を意味し、ナマスカールは「礼拝」を意味する言葉です。
このアーサナで一番大切なことは、すべての動作が渾然一体となって、スムーズにながれるように行なうことです。一連の動作は5~10分くらいあれば、できます。毎日一回行なうことにより、体を強壮にし、精神的な集中力を養い、また内的静けさを得ることができます。

お休みのポーズ(シャバ・アーサナ)

「シャバ」は屍(しかばね)という意味の言葉です。
全身の力を抜くお休みのポーズです。このポーズは、一見やさしく見えますが、体じゅうのすべての緊張をとるのは、簡単なことではありません。そこで、緊張が残っているところは更に緊張させて、緩めてみましょう。緊張させるには、体を伸ばす、あるいは、筋肉を収縮させます。そのあと緩めて、体の変化を感じ取るようにしてみましょう。この動画では、体の各部分を15カ所にわけて、緊張させた後に緩めます。練習を積み重ねて、10分~15分の深いシャバ・アーサナができるようになると、数時間の睡眠に匹敵するリラックス効果があるといわれています。

11.ヨーガ 逆転系のポーズ

背中立ちのポーズ(ヴィバリータ・カラニー)

背中立ちのポーズと肩立ちのポーズの主な目的は、血液の循環を変化させることにあります。脚の静脈からの血液の流出が楽になり、心臓の負担が減ります。また、重力や老化の影響で下垂した内臓を引き上げる作用もあり、内臓の調子を整えてくれます。練習を積み重ねていくと、脚をまっすぐに上げられるようになり、体重が首にかからないで、肩甲骨と肩甲骨の間、手、手首、肘にも分散されます。

鋤のポーズ(ハラ・アーサナ)

頭と上体の角度が90度もしくはそれ以下になると、首の後ろ側がよく伸びます。腹部は収縮して、内臓が圧迫され、マッサージ効果があります。ポーズをしている間は、自然で楽な呼吸をします。胸式呼吸、鎖骨呼吸は制約されますが、腹式呼吸は行ないやすいです。

肩立ちのポーズ(サルバンガ・アーサナ)

サルバは、「全体」を意味し、アンガは「四肢」を意味します。このポーズによって刺激をうけるのは、脳髄、延髄、松果体、副甲状腺、甲状腺などです。また、血液の循環もよくなり、下がった内臓器官の位置をもどすのにも役立ちます。全身に大きな恩恵を与えてくれるポーズといえます。
私の場合、首の後ろ側がよく伸ばされ、鼻詰まりの解消に役立ちました。ポーズを保持するときは、腹部を完全にリラックスさせて、腹式呼吸(横隔膜呼吸)を行ないましょう。

魚のポーズ(マツヤ・アーサナ)

肩立ちのポーズで首の後ろ側を伸ばした後、首の前側を伸ばす魚のポーズを行なうと体の調和がとれます。首の前側を伸ばすので、頸部への血液が増加し、喉を刺激します。それによって甲状腺、扁桃腺などを浄化し、風邪に対する抵抗力を高めます。顔や首の前側の血行が良くなり、緊張がとれます。

赤ちゃんのポーズ(パヴァナ・ムクタ・アーサナ)

パヴァナは「風」、ムクタは「自由にする」「解放する」という意味の言葉です。腹腔内のガスを除去する効果があります。また、「風」とはプラーナ(気)とも考えられ、脚の関節を強く曲げる動作によって、関節に滞ったプラーナ(気)の流れをよくする、と解釈することもできます。両脚で行なうときの様子は、赤ちゃんが胎内にいるときの様子に似ています。